9 月 仙 水 峠 探 鳥 会
実施日 9月17日(日)
集合 6:00 甲府駅北口
解散 17:00 市営芦安駐車場
天気 曇りのち雨
費用 3500円(芦安〜北沢峠間往復バス代)
担当者 小林 美博
参加人数 17名
 
              メボソとルリビとホシガラス

 台風13号の接近、断続的に降る雨。空模様と天気予報に気を揉みながら担当の小林美博幹事が探鳥会の決行を決めたのは前日の午後6時。既に山梨に来ていて甲府駅のホテルで待機している奥多摩支部からの参加者の存在もこの決定を後押ししたようだ。
 若干の参加辞退者が出たが当日午前7時に南アルプス市営芦安駐車場に集結。バスを待つ間「フィー、フィー」と鳴声がしてゴジュウカラが姿を見せ、ヒガラやシジュウカラ、コゲラの群れが梢を飛び交い、かすかに色づいたナナカマドが秋の訪れを感じさせる山峡の空をカケスがヒラヒラと舞って行った。

 私たちだけの貸切となったバスに揺られてスーパー林道を広河原へ、そこから市営バスで谷深い道をテープから流れる案内を聞きながら県境の北沢峠へと向かった。ここで埼玉県支部からの参加者が合流して総勢17名、トウヒ、シラビソの山道を仙水峠(2264m)目指して9時40分に出発。先へ先へと鳴いていくメボソムシクイの後に着いて依田会長の解説付きで植物観察をしながらの山行きとなった。フジアザミ、ヤマハハコ、ハンゴンソウ、ノコンギク、ゴマナ、ヤマトリカブト、ヤマホタルブクロ・・・・・。いつもながら植物は多くてとても覚えきれないし、書ききれない。

 山道を1時間ほど行き、仙水小屋に到着。ここの水は「氷のように冷たく、この水を飲むために登っても満足できる」と探鳥会の案内にあったが、やや羊頭狗肉の傾きの無きにしも非ずか。もっとも、その時の体調、喉の渇き具合にもよるのだろうけれど。
 さらに道を進むと辺りは亜高山針葉樹林帯、しばらく行った右手の林の奥、真っすぐ伸びたカラマツの幹を素早くよじ上り、木の裏に姿を消した薄茶色の鳥影。「キバシリでは」の声に、小林幹事が頷いて同定した。

 林を抜けると辺りは一変して、剥出しの花崗岩が累々と重なり、ところどころにハイマツと陳こびたコメツガが散在する荒れた風景が展開していた。濁った声で鳴きながら空の高みをフワフワ飛んで行くのはどうやらホシガラスらしい。「ヒッ、ヒッ」とやや甲高い声がして、ここからしばらくルリビタキが私たちの道先案内をしてくれた。ゴロ石の中の在るか無きかの道を辿り、頭上を掠めるホシガラスの白斑がはっきり見えるようになると、仙水峠はもう目と鼻の先だ。
 と、いきなり眼前に摩利支天の岩峰が圧倒的な姿を現した。時間はまもなく12時。幹事の指示でこの奇観に向かって昼の弁当を開いた。いつもながら探鳥会のお昼はあちらこちらからおかずやおやつが回って来て、思い掛けず過食症気味になってしまう。甲斐駒ヶ岳から来た十数名の登山グループもここで弁当を開き出した。熟年登山が流行とか。思わずあちらの平均年齢を瀬踏みしてしまったが、なに、向こうもこっちを見て多分同じようなことを考えているのだろう。

 ガスが懸っては流れて行き、摩利支天が現れては消え、消えては現れしているうちに、ポツリと顔に当たるものが。幹事の合図で急いで下山。幸い北沢峠までは天気がもってくれ、予定より早い時間の臨時バスに乗ることが出来た。雨が降りだしたのは広河原からのバスの中で、小林幹事はほっとした面持ち。「良かった、良かった」と一同も笑顔。
 復路のスーパー林道では道路際の網越しに立派な角のニホンジカと、また別の箇所ではカモシカが雨の中に佇んでなんとこちらをじっと見つめているではないか。運転手が気を利かせて間近にバスを止め、暫時私達に野生の動物を観察する機会を与えてくれた。こんな気遣いも嬉しい探鳥会でした。
                                        (遠藤博文)
観察記録
アカゲラ コゲラ キセキレイ ミソサザイ
ルリビタキ メボソムシクイ ヒガラ ヤマガラ
シジュウカラ ゴジュウカラ キバシリ カケス
ホシガラス ハシブトガラス
14種
<主な植物>
シラビソ コメツガ ハイマツ ドロノキ
コケモモ フジアザミ ヤマハハコ カニコウモリ
コウモリソウ ヤマトリカブト ノコンギク ヒヨドリバナ
ハンゴンソウ サラシナショウマ タカネヒゴタイ マイズルソウ
シラネセンキュウ ヤグルマソウ ハリブキ ヤマホタルブクロ
10 月 渡 良 瀬 遊 水 地 探 鳥 会
実施日 10月14日(土)・15日(日)
集合 14日7:00 甲府駅南口
解散 15日20:45 甲府駅南口
天気 晴れ
費用 28000円(バス代・宿泊代・他)
担当者 清水 誠
参加人数 12名
1日目 甲府駅南口→小瀬スポーツ公園→中央道・首都高速・東北道(甲府南IC〜浦和本線JCT〜館林IC)→渡良瀬遊水地(探鳥会)→東北道・日光宇都宮道路(館林IC〜宇都宮IC〜今市IC)→鬼怒川温泉(泊)
2日目 鬼怒川温泉→日光宇都宮道路・東北道(今市IC〜宇都宮IC〜館林IC)→渡良瀬遊水地(探鳥会)→館林→北関東道・関越道・上信越道(伊勢崎IC〜高崎JCT〜藤岡JCT〜佐久IC)→野辺山→清里→韮崎→甲府駅南口→小瀬スポーツ公園


         憧れのミサゴやチュウヒに

 10月14日、15日の渡良瀬遊水地への探鳥会に参加した。渡良瀬遊水地は、栃木・茨城・群馬・埼玉の県境に位置し、面積3300haの我国最大の遊水池で、嘗ては足尾銅山から流れ出る鉱毒を沈殿濾過させ水を浄化する場所として、又度重なる大洪水による災害防止や都市用水の供給、流水の正常な維持機能などいろいろな役割を持つ所であることを知った。
 甲府駅前を朝8時にバスで出発し、小瀬スポーツ公園で合流した方達と、計12名での旅となった。目的地には正午頃到着し、駐車場わきの広場で昼食を済ませ、待望の探鳥会が始まった。
 背丈以上のヨシ原に入ると、キチョウが破れた羽でヒラヒラと舞いながら出迎えてくれた。しかし、行けども行けどもヨシにすっぽり覆われ、自分がどこにいるのかも分からず、方向音痴の私は不安になった。カサカサする音の方を見ると、ネズミのような小動物が見え隠れし、不安が募るばかりであった。
 どの位歩いただろうか。谷中湖へ出た時には、視界の開けた青空の下で私は思わず大きく深呼吸をしていた。早速スコープを取り出し、(後程ケースを忘れ皆さんに大変迷惑を掛けてしまうことになるのだが)無我夢中で鳥を探していると、ミサゴが私の方に飛んで来た。「しめた」とばかりスコープを通して見ると、あの頬と胸の美しい白と、精悍な顔をとらえることが出来た。私は思わずほくそ笑んでしまった。ミサゴは、前から近くでしっかり見たい鳥であったので、これは私にとって感激的な出会いであった。チュウヒも何度も現われた。清水さんに教えていただいたのだが、「V字で低空を飛ぶのが特徴の鳥」と聞いても、どうしても判別出来ないままになってしまい残念だった。また、サギ類、猛禽類は優雅に飛翔しているのだが、対照的に小鳥たちは気忙しくヨシ原にもぐり込む姿が印象的だった。
 初日は30種以上の鳥と出会え、腰痛と目の疲れも鬼怒川温泉ですっかり癒された。
 2日目は谷中湖の北水門へ向かい、10時頃に着いた。しかし、私の忘れ物のために皆さんには渡良瀬遊水池ウォッチングタワーで貴重な時間を待って頂き、大変申し訳ないことをしてしまった。
 運よくスコープのケースはあり、皆さんと合流し、第1調整池の端を探鳥することが出来た。しかし残念なことに目的の鳥は少なく、チョウのオンパレードであった。人を恐れる様子もなく、行く先々で低くゆるやかに舞っていた。瀬田さんから「これはキタテハであり、シータテハは羽の先の切れ込みが鋭いことで区別するように」と教えて頂いた。探鳥会ではあるが、様々な分野のエキスパートがいらっしゃるため、鳥が少ない時でも楽しめるのはうれしい限りである。
 昼食の後、今度は鷹見台での探鳥。高台で何も遮るものもなく、360度の眺望がきく場所であった。どの位待っただろうか。大空にオオタカ、チュウヒ、チョウゲンボウ、ミサゴと次々に現われ、遠く小さくなるまで双眼鏡で追うことが出来た。又ヨシ原からは他種類の小鳥たち、キジ、イタチ、ヘビ等の生き物が確認出来、鷹見台での探鳥は時を忘れる程だった。夕暮れにはネズミを狙うチュウヒが数多く現われるそうだ。時間の都合で今回は断念したが、それでも猶余りある幸せだった。
 このヨシ原は、多数の動植物が生息・生育している生きている自然の博物館そのものであった。しかし、私はふと「レッドデータブック」のことを思い出した。この豊かな自然の中から絶滅が危惧される生物を出さないために、私達は環境保全に努めなければと痛感した探鳥会であった。
                                         (藤原正子)
観察記録
カイツブリ ハジロカイツブリ カワウ ゴイサギ
コサギ チュウサギ ダイサギ アオサギ
バン オオバン カルガモ コガモ
イソシギ ミサゴ トビ ノスリ
チュウヒ ハイイロチュウヒ オオタカ チョウゲンボウ
キジ キジバト ドバト カワセミ
コゲラ イワツバメ ヒバリ キセキレイ
ハクセキレイ セグロセキレイ ヒヨドリ モズ
ジョウビタキ ヒガラ シジュウカラ エナガ
ホオジロ オオジュリン カワラヒワ スズメ
カケス オナガ ハシボソガラス ハシブトガラス
セキセイインコ シギSP. 中型シギSP. ホトトギスSP.
未確認を含め48種
11月 雁 ヶ 腹 摺 山 池 探 鳥 会
雁ヶ腹摺山探鳥会は、雨のため中止となりました。
以下に、計画を掲載します。
日時 11月19日(日)
集合 7:30 甲府駅北口
解散 17:00 甲府駅北口
天気 雨 (中止)
担当者 依田 正直
予定人数 19名
日程 甲府駅北口7:30(乗用車)→大月市真木8:30→大峠着9:00→
大峠発9:20(徒歩)→吹切尾根→雁ヶ腹摺山頂上11:00(30分休憩)→大峠着12:30(昼食)→
大峠発13:00(乗用車)→閻魔沢(巣箱架設見学 ツリークライミングの技法によりコノハズク用巣箱2基架設)→
深城ダム発15:00→国道138号線→岩殿山→甲府駅着17:00
12 月 豊科犀川・生坂ダム 探鳥会
実施日 12月17日(日)
集合 7:30 甲府駅北口
解散 17:40 船山橋(韮崎市)
天気 曇り
担当者 斉木 秀二
参加人数 18名


 当日朝、降雨もなく予定どおり実施。
 岡谷湖畔公園ではハクチョウの他、最近甲府ではあまり観察されないオナガガモを始め、多くのカモたちをジックリと観察。特にカワアイサの大群は迫力満点!(諏訪湖で越冬?)
 中央道豊科ICから明科御宝田遊水池へ。明科自然ふれあいセンターで昼食休憩後、隣接の遊水池でカモ類、オオバンなど観察。
 犀川下流の生坂ダム湖でヨシガモ、遠くにミコアイサも観察、水辺の野鳥の特徴を身近に観察でき、皆さん満足され予定より1時間ほど遅れたが、中央道を無事帰甲した。<斉>
                                         
観察記録
カイツブリ カンムリカイツブリ カワウ コサギ
ダイサギ アオサギ オオバン コハクチョウ
カルガモ マガモ オカヨシガモ オナガガモ
コガモ ヨシガモ ヒドリガモ ミコアイサ
カワアイサ ホシハジロ キンクロハジロ スズガモ
ユリカモメ トビ チョウゲンボウ ドバト
ヤマセミ キセキレイ ハクセキレイ セグロセキレイ
ヒヨドリ ジョウビタキ シジュウカラ カワラヒワ
ムクドリ ハシボソガラス ハシブトガラス
*生坂ダムでヨシガモ30羽
*諏訪湖岡谷でカワアイサ1000羽超
35種

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