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2017年 やまなしの野鳥

目次
1.データの状況
 ⑴データ数の推移
 ⑵標準データ
 ⑶メッシュ別・環境別データ数
 ⑷月別データ数
2.観察種
 ⑴2017年に観察された種
 ⑵月別種数
 ⑶いくつかの種の詳細
3.観察羽数
 ⑴年間羽数
 ⑵月別羽数
 ⑶種別観察羽数・件数
4.レッドデータブック掲載種
5.特記情報
 ⑴クロハラアジサシ県内初確認
 ⑵ミヤコドリ県内初確認
 ⑶ムネアカタヒバリ県内初確認
 ⑷アカモズの繁殖確認
 ⑸アカショウビンの繁殖確認
 ⑹
アカオネッタイチョウの飛来
 ⑺ハマシギの越冬
 ⑻コハクチョウの越冬
 ⑼新平和通りからすのねぐら


表1 留鳥等
表2 夏鳥
表3 冬鳥
表4 旅鳥・迷鳥・種外
表5 観察羽数
表6 観察件数
表7 RDB掲載種
表8 冬鳥(2016~2017シーズン)




資料1 スズメ
資料2 ムクドリ
資料3 ヒヨドリ
資料4 ウグイス
資料5 モズ
資料6 キジバト
資料7 トビ
資料8 ハイタカ
資料9 オオタカ
資料10 ハシボソガラス
資料11 ハシブトガラス
資料12 ツバメ
資料13 イワツバメ
資料14 キビタキ
資料15 オオルリ
資料16 マガモ
資料17 ツグミ
資料18 ジョウビタキ







生息状況調査



































































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生息状況調査



 皆様からお寄せいただいた2017年の生息状況調査のデータを集計しましたので報告します。

1.データの状況
⑴ データ数の推移

図1 データ数の推移

⑵標準データ

図2 2017年標準データ数と全データに占める割合

<標準データ> ある1回分の調査・観察がラインセンサスや定点観察に準じて行われ、その時確認した種名・羽数等が1回分の調査・観察の結果として記録されているデータ。
<他データ> 希少種など特定の種のみが記録されたデータ、羽数が多いなど特別な観察を恣意的に選び記録したデータ、羽数の記録がないデータなど標準データ以外のもの。 
多くの場合は「標準データ」のみを対象にして集計・分析を行っています。

<注>データについて
  ある観察で8羽のスズメが畑で採餌しているのを確認した時「スズメ 〇年○月○日 ○市○町 採餌 畑」のような記録になりますがこれを1データとしています。ふつう1確認=1データですが、一定時間の調査・観察中に例えばスズメが複数回確認された場合1データにまとめて記録される場合もありますので、複数確認=1データの場合もあります。

メッシュ別・環境別データ数


図3 メッシュ別データ数(全データ)


図4 環境別データ割合(標準データ)


図5 中心部5メッシュの全データに占める割合


 県中心部と周辺部のデータ数格差は依然として大きいです。図3で盆地中心部のD3,C4,D4,C5,D5の5メッシュのデータ数が全データ数に占める割合は、図5で示すように2017年で約66%になっています。
 どのような環境での生息データなのかを示したのが図3です。1データに複数の環境を含む場合もありますので、項目すべての合計は100%を超えています。2017年も森林・河川等が多くを占めています。

 
これらから、2017年のデータの示す傾向は、県全体の平均的傾向というより地域的には盆地中心部の傾向、環境別では森林や特に河川等の傾向を強く反映しているといえます。



⑷ 月別データ数  <ページトップにもどる>

図6 月別データ数(標準データ)


図7 月別調査件数(標準データ)

 
図7b 月別1調査あたりのデータ数(標準データ)

 2017年は、年間を通して1調査当たりのデータ数が20件前後となっています。

2.観察種  <ページトップにもどる>
⑴ 2017年に観察された種
年間の種数は186種。
 留鳥等(留鳥・漂鳥)83種(45%)
 夏鳥45種(24%)、冬鳥42種(23%)、旅鳥15種(8%)、迷鳥1種。


図8 種数の年次推移


図9 生息習性別種数の年次推移



 2017年は、外来種4種を含め186の観察がありました。観察種の詳細を表1(留鳥等)、表2(夏鳥)、表3(冬鳥)、表4(旅鳥・迷鳥・種外)に示します。冬鳥2017-2018シーズンについては(表8)に示します。


⑵ 月別種数

図10 過去5年間の月別種数

 毎年、夏鳥と冬鳥が重なる5月に観察種数が多い傾向にあります。

図11 生息習性別・月別種数 2017年

留鳥等:「留鳥」、「漂鳥」、「留鳥・漂鳥
旅鳥:「冬鳥・旅鳥」も含む

⑶ いくつかの種の詳細
 次の種についての詳細なデータを掲載します。

スズメ ムクドリ ヒヨドリ ウグイス モズ キジバト
トビ ハイタカ オオタカ ハシボソガラス ハシブトガラス
ツバメ イワツバメ キビタキ オオルリ マガモ ツグミ ジョウビタキ
 




3.観察羽数 <ページトップにもどる>

年間観察羽数34,976羽
 留鳥等24,510羽(70.1%)、夏鳥2,430羽(6.9%)、
 冬鳥7,715羽(22.1%)、旅鳥49羽(0.1%)、種外272羽(0.8%)。

⑴ 年間羽数


図12 年間羽数の推移(標準データ)


⑵ 月別羽数
図13 1調査あたりの生息習性別・月別羽数
(標準データ)


図14 1調査あたりの生息習性別羽数割合(標準データ)




⑶ 種別観察羽数・件数
最も羽数が多かったのはスズメ。
最も観察件数が多かったのがヒヨドリ。
 
 表5に種ごとの観察羽数を、表6に種ごとのデータ件数をそれぞれ示します。標準データのみの集計結果です。また、表中の「生息習性」欄の空欄は留鳥です。
 表5の羽数では例年同様スズメが最も多く6604羽で、2番目のヒヨドリの3倍を超える数でした。
 カラス類では、ハシブトガラスが783羽、ハシボソガラスが741羽でした。例年両種の観察数にはあまり違いはありません。
 表6の観察件数では、2017年もヒヨドリが1番で341件でした。続いてスズメの260件でした。羽数よりもこちらの方が、「よく見られる鳥」、「身近な鳥」を表しているように思われます。


4.レッドデータブック掲載種 <ページトップにもどる>
 2018年末に改訂版の「2018年山梨県レッドデータブック」が発刊されましたので、これに記載されている鳥類種についてその状況を表7に示しました。


5.特記情報
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⑴ クロハラアジサシ、県内初確認
2017/11/3
11/4に山中湖でクロハラアジサシ類が6羽確認されました。複数種が混じっていた可能性もありますが、クロハラアジサシ以外ははっきりと確認できませんでした。10月末の台風の風に乗って飛来したものと思われます。

⑵ ミヤコドリ、県内初確認
2017/11/10
に山中湖で1羽を確認しました。

⑶ ムネアカタヒバリ、県内初確認
2017/10/5
に南アルプス市で1羽が確認されました。<東京環境工科専門学校(上沖正欣)
様より情報を提供していただきました

⑷ アカモズの繁殖確認
2017/6/15
6/17に富士河口湖町で2つがいの繁殖が確認されました。1つがいでは雛5羽が確認されました。

⑸ アカショウビンの繁殖確認
峡南地区でスズメバチの古巣に営巣しているつがいを確認しました。7/202羽の巣立ちも確認されました。

⑹ アカオネッタイチョウの飛来
台風21号通過翌日の2017/10/23、富士河口湖町の小立小学校で校庭にうずくまっているのを職員が見つけ、その後県鳥獣センターで保護されました。

⑺ ハマシギの越冬
今冬は26羽のハマシギが越冬しました。1980年代から越冬の情報があります。近年はここ12年連続で越冬しています。

⑻ コハクチョウの越冬
8
年連続の越冬。2017/12/166羽の成鳥が飛来。6羽→9羽13(12月末)と増え、1月上旬
には8羽となりました。首にGPS受信機のような機器と脚に標識を付けた個体が1羽いました。

⑼ ハシボソガラス、ハシブトガラス(群れでのねぐら)
2017年も甲府市の平和通りで、最大1600羽のカラスの集団ねぐらが観察されました。繁殖期が近づくとだんだん数を減らし、3月末時点でほとんど見られなくなりました。
 



 皆さまのご協力で、2017年県内での野鳥の生息状況の一端を記録することができました。2018年も皆さまのご協力でさらに充実した記録となることを願っています。よろしくお願いいたします。

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