やまなしの野鳥たち 
2017.07 イワヒバリ
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イワヒバリは、標高2,500mを越える山の一番高いところで見られ、登山者になじみのある野鳥の代表格です。

 北海道と本州中部以北の高山帯、森林限界より高いハイマツ林や岩場などに生息し、冬季には南下したり標高の低い場所の岩場や礫地などへ移動し、小群で生活します。
 岩場や残雪、草地などを歩き回り、樹木に止まることはあまりありません。

 繁殖期になると、オス、メス数羽づつからなる小規模な群れを形成して、群れの中で複数の相手と交尾し、メスが求愛ディスプレイを行い、集団で育雛するなど珍しい繁殖生態が報告されています。高山の生息条件の厳しいところで繁殖するにはこの方式が都合がいいからでしょうか。
 また、オスが、チョッチョッチリリリと岩角で賑やかにさえずりを繰り返し、時折さえずり飛翔を行うので、この様子が「岩場の雲雀」として名前の由来になっているようです。

 体長は18㎝ほどで、スズメよりやや大きくずんぐりとした体形で、メスオス同色です。頭部から胸は灰色、喉は白と黒のまだら、体は茶褐色で、翼には2本の白帯があります。

 食性は雑食で、夏季は昆虫類や節足動物などを中心に食べますが、冬になると低い山や渓谷などで果実や種子などの植物を食べるようになります。

 警戒心が低く、人の近くにも寄ってきて、山小屋から出る残飯などを食べることもあります。
 同じような環境に生息し、体形も似ているカヤクグリは、イワヒバリよりもやや小さいです。

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