やまなしの野鳥たち 
2017.10 ホシガラス
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 ホシガラスは、北海道、本州、四国の亜高山帯からハイマツ帯に生息し、留鳥ですが冬は餌を求めてやや標高の低い所に移動するものもいます。

 体長は35㎝ほど、オスメス同色で、頭は黒褐色のベレー帽のようで、背や腹にかけてこげ茶色の地に白斑がたくさん並んでいます。、翼と尾の上面は黒ですが光の加減で青味がかって見えることもあります。翼は短め幅広でフワフワと直線的に飛行し、飛ぶと尾の先端の白がよく目立ちます。

 黒っぽい体に浮かぶ白い斑点を星空に見立てたことが名前の由来で、一方高山で見られるので、登山者からは「岳鴉(だけがらす)」の名でも呼ばれています。


 しわがれた声で、ガァーガァーと鳴きます。この鳴き声はカケスに似ていて、まれに猫のようにミャーと鳴くこともあります。

 大きさや鳴き声、生息場所が似ているカケスとの見分けは、頭部に冠羽がないこと、腰の部分が白くないことなどが大きな識別点です。

 雑食性でハイマツの実、昆虫、鳥の卵や雛など何でも食べ、山小屋の残飯なども食べます。最も重要な食物は各種のマツやトウヒ、ハシバミの実で、食べきれない実は地面に埋めて貯蔵しますが、カケスと違って記憶力が良く埋めた場所はしっかりと覚えていると言われます。しかし、掘り残しもありそれらが芽を出して成長するので、ヨーロッパでは「森林を再生する鳥」と呼ばれるとのことです。

 ホシガラスは、その生息地域で最も早い時期に繁殖を行い、そのために前年の秋に貯蔵したマツ等の種子を活用します。というのは、この時期は餌が少ないので親鳥が前年に埋めた松の種子を食べこれを吐き戻して雛に与えて子育てをするのです。  巣立った幼鳥は2、3ヶ月は親の元にとどまって、厳しい環境での生存に必要な貯食の仕方などを学ぶようです。

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