やまなしの野鳥たち 
2018.05 エゾムシクイ
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 エゾムシクイは、4月中旬から5月にかけて、越冬地の東南アジアから夏鳥として日本にやって来ます。日本のほかロシア東部で繁殖します。


 本州中部以北の亜高山帯の針葉樹林からその下部の落葉広葉樹林などで、急な傾斜があり崖が多いよく茂った山地に好んで生息します。

 春の渡りの時期には、低地の山林などに出現することがあり、武田の杜でもこの時期に、渡りの途中と思われる個体の声をまれに聞くことがあります。
  その声ですが特徴があって、金属的な高く澄んだ声で、ヒーツーキー、ヒーツーキーと三拍子で鳴きます。




 ムシクイの仲間で比較的良く見られるのは、センダイムシクイ、メボソムシクイ、エゾムシクイの3種ですが、鳴き声はそれぞれ特徴的なので声での識別は簡単です。

 また、この3種は、標高によって緩やかにすみ分けていると言われ、標高の低い順にセンダイ、エゾ、メボソとなります。

 一方、羽色や姿形は3種とも酷似しているので、野外での見分けはかなり難しいです。エゾムシクイの全長は11.5㎝、背面はオリーブ緑色でムシクイ類の中では褐色味が強く、頭は灰色味が強いです。下面は汚白色で、胸や脇は淡褐色味を帯びます。眼の上部の眉斑は細く黄白色、また足は他のムシクイ類より赤味があります。

 樹木の根元などにコケで球状の巣を作りますが、巣作りはメスが専ら行い、オスはメスの頭上でさえずります。地鳴きは、甲高いピッ、ピッと大きな声で鳴きます。

 食性は動物食で、昆虫類、クモ等を食べますが、木の枝の間を活発に枝渡りをして、捕食します。  

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