やまなしの野鳥たち 
2018.11 タヒバリ
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 タヒバリは、シベリアから渡ってくる冬鳥として本州以南に普通に生息しますが、温暖な地方に比較的多いです。

 河川や湖沼の水辺、田んぼなど農耕地、草地、海岸など比較的開けた場所に、単独あるいは数羽から数十羽の群れで生息しますが、地味な褐色の鳥なので、土の色と同化していて見つけるのは容易ではありません。

 名前にヒバリとあり大きさも色合いもヒバリによく似ていますが、実はセキレイの仲間で、他のセキレイ類と同様、尾を上下によく振ります。

 スズメよりやや大きく全長は16㎝、冬羽では頭部から背中までの上面が灰色味がかかった褐色で、翼と尾は黒褐色、喉から体下面は汚白色で黒褐色の縦斑が入ります。眉斑とアイリングは淡色で、春先に渡去する前には胸が褐色味を帯びてきます。


 主に地上を歩きながら、植物の種子や昆虫類などを食べます。飛翔中にピッピッと鳴き、驚いて飛立つときにはピピピピピと鋭い声で鳴きます。

 タヒバリによく似ていて識別に注意を要するのはビンズイです。識別ポイントとして有名なのは、ビンズイだけにある目の後方の白斑で、この白斑がはっきりしている個体はほぼビンズイで間違いありません。ただ個体によっては不明瞭だったり薄かったりすることもあります。また背中の色がビンズイの方が緑がかっていて、胸の黒っぽい縦斑もはっきりしています。

 このほか、夏にタヒバリが見られることはありませんし、タヒバリは田んぼや草原など比較的開けた場所にいることが多く、ビンズイは山地や林の中などにいることが多く、特に山地の林で見られるのはビンズイである可能性が高いです。ただし注意が必要なのが、冬に田んぼや河原などが林に隣接する場所では、双方が好む環境であるため、両種とも観察できる可能性があります。

 更に、ビンズイは枝にとまった状態で見ることも多いのですが、タヒバリは地面で見ることが多いです。

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