やまなしの野鳥たち 
2020.07 ヤイロチョウ
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 ヤイロチョウは、本州中部以南の山地のよく繁った広葉樹林に渡来して繁殖する夏鳥で、主に九州や四国の山地で繁殖しています。高木からなる常緑広葉樹林に生息することが多く、樹冠で日光が遮られて下生えが発達しない環境を好みます。

 世界のヤイロチョウの仲間の中では最も北方にまで分布していますが、国内での分布は局地的で、数も大変少なく珍しい希少種です。ただ高知県では恒常的に繁殖しているということで、県の鳥にもなっています。

 熱帯系の鳥であり、多彩な色をまとった「森の宝石」とも呼ばれ、和名の由来もたくさんという意味の「八」をつけた「八色鳥」から来ています。

 体長は18㎝、メスオス同色で、頭が大きく尾が短い体形で、長く丈夫な足を持っています。頭部が明るい栗色、長い眉斑がクリーム色、過眼線が黒色、喉が白く、胸部が淡い黄白色、腹部中央から下腹部は鮮やかな赤色、背中は光沢のある緑色、雨覆と腰は明るい青色などと多彩なカラリングです。

 林の中では直線的に飛行し、樹上で尾を上下にゆっくり振ります。

 さえずりは、ピィフィーピィフィーとかホへンホヘンなどと、二音に分かれよく透る独特の声で、「白ペン、黒ペン」などと聞きなしがされます。

 食性は動物食で、地上を歩きながら落ち葉を返したりしてミミズ類や昆虫、甲殻類などを捕えて食べます。

 本県では、旧市川大門町の四尾連湖や旧豊富村、旧敷島町、山中湖村の洞の水場などで確認記録がありますが、最近、峡南地域で声を聞いたという事例がいくつか出てきています。山地のよく繁った常緑広葉樹林に多いということなので、県内では峡南地域が筆頭候補、会員の皆さんも繁殖期に耳を澄ませて発見する努力をお願いします。

ヤイロチョウ画像1 ヤイロチョウ画像2

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