やまなしの野鳥たち 
2021.2 ハイイロチュウヒ
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 チュウヒ類はアシ原や草原などの環境を代表するタカの仲間で、日本に生息するのはチュウヒ、ハイイロチュウヒ、マダラチュウヒの3種類です。

 ハイイロチュウヒは、越冬のために全国に飛来する冬鳥ですが、個体数が少なく局地的で、特にオスの成鳥は少ないようです。本県でも極めてまれにしか記録されません。

 チュウヒが平地の埋立地や干拓地を主な生息地とするのに対し、ハイイロチュウヒは平地の広い草原、アシ原、農耕地や牧草地に生息するほか、山地の草地や造成地にもたびたび出現します。





 アシ原や農耕地の上を、地上すれすれの高さで飛翔し、ゆっくりとしたはばたきと翼を浅いV字形に保った滑翔を繰り返しながら獲物を探します。3種のチュウヒ類の中では最も低空を飛びます。

 草むらに潜むネズミ類を中心に、小鳥、両生類、爬虫類などの小動物が飛び出すと急旋回して捕らえます。地上を徘徊しながら獲物を探すこともあります。

 全長は、雄が45㎝、雌が51㎝で、他のタカ類に比べて翼と尾が細く長めで、足も長いようです。

 オスは、頭部と背面、尾が明るい灰色で、胸と腹、下尾筒が白色です。飛翔時には、翼の上面が灰色、下面が白くて、初列風切の黒色が目立ちます。メスや若鳥は、全体が黒褐色で、頭部や体の下面に淡褐色の地に黒褐色の縦斑があり、尾に数本の黒帯があります。メスは飛翔時、腰の白い部分が目立ちます。

 チュウヒ類は、草原の中の獲物の居場所をつきとめるため、顔が平面的で両眼視でき、顔盤で集音しやすく耳も大きいなど、視覚だけでなく聴覚も利用していて、同じような狩りをするフクロウに似た顔となっています。

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