やまなしの野鳥たち 
2018.04 キバシリ
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 キバシリは、留鳥として北海道、本州、四国、九州に分布し、低山から亜高山帯までの針葉樹林や落葉広葉樹林に生息しています。

 冬季はやや標高の低い場所に移動しますが、北海道では常に平地の林に生息している個体もいるようです。個体数は多くなくまた繁殖地もやや局地的で、本県でも中々見ることはできません。

 木の幹に縦にとまり、幹を走り回るようにして採食する姿から、キバシリ(木走り)の名が付けられていますが、動きがとても可愛らしいので、ぜひ一度見てもらえればと思います。
 全長は13.5㎝ほどで、スズメより小さく細身の体形をしています。オスメス同色で、額から頭部にかけてと体の上面は黄褐色で、背中の淡灰色の縦斑のまだら模様が樹皮に似ていて保護色となっています。腹面は白色で、楔型をした細長い尾は褐色で先端が尖っています。顔には褐色の過眼線と白い眉斑があり、細長いくちばしは下に湾曲しています。

 木の幹にすむ小さな昆虫類やクモを主食としており、幹を下から上へとらせん状に登りながら,樹皮の間や割れ目にひそむ餌となる虫や卵などをあさります。

 幹に尾をつけて体を支えて、這うような姿勢で幹を上下しますが、これはキツツキと同様に非常に硬い羽軸の尾羽を持っているからです。






 次の木の幹に移動する時には、木の根元の方にとりつき、またらせん状に登ることを続けます。

 鳴き声は、地鳴きがか細く澄んだ声でヅィーッとかシリーと聞こえ、木から木へ飛び移る際によく鳴きます。さえずりはピチョピチョピイピイピイチーチーリリリ・・・と大きな声で次第に早口になります。

 基本的には群れを作らず単独行動ですが、冬季はカラ類の混群に混じっていることもあります。

 木の割れ目や樹洞に、朽木の破片などをクモの糸で繋いで椀状の巣を作って繁殖します。また、巣箱を利用することもあります。

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