やまなしの野鳥たち 
2018.12 アメリカヒドリ
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 アメリカヒドリは、冬鳥として日本に渡ってくるカモの仲間で、記録としては本県を含め北海道から南西諸島まで各地でありますが、渡来数は極めて少ないです。たいていヒドリガモの群れに1~2羽混じっているという形で確認されます。

 近縁種であるヒドリガモが、ユーラシア大陸の北極圏で繁殖して冬はインドから日本にかけての南アジアに渡って越冬するのに対して、アメリカヒドリは、アメリカ大陸の北部で繁殖して冬はアメリカ中部から中米などに渡って越冬します。従って、渡りのコースから離れているため日本にはまれに渡来する種類となります。

 越冬地では湖沼や河川、内湾などで生活し、ヒドリガモよりもどちらかというと淡水域を好む傾向があるようです。

 全長は48㎝、大半のカモと同様オスメスで色が異なり、ヒドリガモより顔が白っぽく見えます。

 オスは額から頭頂にかけて淡いクリーム色で、眼から後頭部にかけて光沢のある緑色の幅広い帯があります。眼の周囲は黒く頬は黒褐色、胸から脇は褐色を帯びた灰色で細かい模様があり、腹は白く下尾筒は黒いです。

 メスは全体が褐色で、ヒドリガモのメスとの識別が難しいですが、顔の部分がヒドリガモほど赤っぽくなくやや灰色がかっています。嘴はオスメスとも青灰色で先端が黒いです。

 アメリカヒドリとヒドリガモは、繁殖地が一部で重なっているらしく、交雑個体もよく見られるので、この点で識別には注意が必要です。

食性は植物食で、浅い湖面や河川の流れている所を泳ぎながら、水面に浮かぶ葉や茎・根・種等を嘴でついばんで採食します。潜って水草を採食する水鳥や、首を水中に入れて水草を食べるカモやハクチョウの周辺に集まって、浮上してきた水草を拾って食べたりもします。


 オスはヒドリガモよりやや濁った声でピュウーピュウーと2声で鳴き、メスはガーガーガーと3声で鳴きます。

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