やまなしの野鳥たち 
2020.04 ニュウナイスズメ
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 ニュウナイスズメは、近縁のスズメとは対照的に林や森などを好み、本州中部以北の山地の林で、また北海道では平地の林で繁殖し、冬期は関東地方以南の主として西日本の農耕地や水田などで越冬します。

 落葉樹林の樹洞に巣を作りますが、人家や巣箱にも営巣します。

 繁殖期以外はニュウナイスズメだけで群れになっていることが多く、数百羽の群もよく見られますが、少数の場合はスズメの群れに混じる場合もあります。
 県内での目撃例は少なく、武田の杜でも過去に2018年4月に移動中と思われる4羽が確認されたのみです。

 全長は14㎝で、オスはスズメに似ていますが、頭から背、腰などがスズメよりもあざやかな赤栗色をしていて、背には黒い縦斑があり、翼は黒褐色で2本の白帯があります。喉の小さな黒色はありますが、スズメにある頬の黒斑はニュウナイスズメにはありません。冬羽では目の上から後頭にかけて淡い線が出ます。メスは上面が灰褐色で、太い淡色の眉斑が目立ち、また喉に黒色部分がありません。










 食性は、繁殖期には昆虫類等をヒナに与えますが、それ以外は草本の種子を主食としています。

 チュビッと聞こえる、スズメより濁り気味の声を出します。
 名前の由来については諸説あり、スズメに見られる頬の黒斑を欠くことから、黒子(ほくろ)の古名であるにふ(斑)が無い雀ということで斑無雀という説、人より先に新稲を食う意として新嘗(にひなへ)が訛ってつけられたという説、平安時代に東北地方に左遷された貴族の藤原実方が、死後本種に転生して宮中に入り込み、納税された米を食い荒らしたという伝説にちなんで、宮中(内廷)に入る雀ということで入内雀とする説などです。

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