やまなしの野鳥たち 
2020.08 ヨシゴイ
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 ヨシゴイは、主に夏鳥として九州以北に渡来して繁殖しますが、本州中部以南では越冬例もあります。湖や川辺、沼地、水田、湿地などに生息し、中でもヨシ原を好みます。

 日本のサギ科の鳥の中では最も小さな種類で、漢字では「葦五位」と表記され、ヨシのある場所を生息地としゴイサギに似ていることから名付けられたようです。

 本県でも、昔は臼井沼のような大規模な湿地があって普通に生息していましたが、近年の宅地開発などでヨシ原等が激減するとともに極端に減少し今ではほぼ確認できません。県のレッドデータブックでも、平成30年の改訂で「準絶滅危惧」から「絶滅危惧Ⅱ類」にカテゴリーが進んでしまいました。

 全長は37㎝ほどで、オスは頭頂が黒く体は黄褐色、飛ぶと風切の黒色と雨覆の黄褐色の対照が鮮やかです。メスは頭が赤褐色で、下面に不明瞭な褐色の縦斑があります。嘴はオレンジがかった黄色です。幼鳥は下面が白い羽毛で覆われ、全身に褐色の縦縞が入ります。

 単独またはペアで生活し、活動するのは主に朝方と夕方で、開けた場所には現れず、ヨシ原を低空飛行し獲物を探します。茂みの中にいることが多く姿を見つけにくいです。

 危険を感じると上を見上げて頸部を伸ばし、静止したり左右に揺れ、これにより下面の斑紋が草と見分けづらくなり、擬態するような形になります。

 食性は動物食で、魚類や両生類、昆虫、甲殻類などを食べます。水辺や植物の茎の間で獲物を待ち伏せし、通りかかった獲物を首を伸ばして捕食します。

 夕方頃からオーッ、オーッともの悲しく聞こえる声で鳴きます。


ヨシゴイ画像1 ヨシゴイ画像2
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