やまなしの野鳥たち 
2021.1 カンムリカイツブリ
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 カンムリカイツブリは、
ユーラシア大陸の中緯度の地域に広く分布しており、冬期にはやや南に渡ります。日本には冬鳥として九州以北に飛来し、広い湖沼や河川、湿原などに生息しますが、河口や内湾、港などの海上でもよく見られます。

 50年ほど前から国内での繁殖が確認され、現在は琵琶湖や東北地方、北海道の湖沼で繁殖するなど増加傾向にあり、冬期に見られる個体も増えています。県内では、富士五湖を中心に近年数が増加しているようです。

 日本のカイツブリ科では最大種であり、全長は56㎝、特に首が長いのが特徴です。オスメス同色で、冬羽では顔から首は白く、目の下に黒線があります。虹彩は暗赤色、くちばしは長くまっ直ぐで先が尖り淡桃色です。頭上に黒色の冠羽 がありますが冬羽ではあまり発達していません。


 幼鳥も冠羽があまり発達せず、頬の羽毛が白く黒い斑紋が入ります。脚は体の後方に付いていて、飛行時には脚が短い尾よりも長く後方へ伸びています。夏羽では、頬から後頭にかけて黒い縁取りのある赤褐色の飾り羽が生じ、これが名前の由来となっています。

 群れ性が強く、数百羽や千羽を超す群になることもあるようです。水面を蹴って滑走してから飛び立ち、長い首を伸ばして小刻みな翼動で直線的に飛びます。

 食性は動物食で、潜水して小魚類を捕らえ主食としますが、水生昆虫や甲殻類なども食べます。体が大きいため、潜水時間も長く軽く30秒以上は潜ります。

 早春には番いを作って、オスメスが向かい合って水面に直立し、水草をくわえて頭を振る仕草を見せる求愛ダンスを行います。

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