やまなしの野鳥たち 
2017.04 シマアジ
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 シマアジは、ユーラシア大陸北部から中部で繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸、東南アジア、インド、フィリピンなどへ渡って越冬する小型のカモの仲間です。

 日本には旅鳥として3月~4月と10月頃に渡りの途中で主に見られます。ただし北海道では少数が繁殖し、八重山列島では少数が越冬します。

 全国各地に飛来しますが数は少なく、西日本に多いようです。湖沼や河川、湿原、水田、干潟などで見られ、単独か数羽の群れで過ごし、あまり人を恐れることがありません。本県でもまれに確認されますが4月頃に多いです。



 コガモとほとんど同じ大きさで、オスは眼の上部に眉状に白い筋模様(眉斑)が入るのが特徴です。頭の部分は赤紫褐色、胸は黒褐色で、体全体が灰色、白と黒の肩羽が目立ちます。メスやエクリプスのオスは全身が褐色で、黒褐色の斑紋が入り、また嘴から眼を通り側頭部にかけて黒褐色の筋模様(過眼線)が入ります。

 食性は雑食で、泳ぎながら頭を水面と平行にして、くちばしを浅く水中につけ、パシャパシャとくちばしをたたき合わせながら、種子、水生植物、昆虫などを食べます。水かきを大きく動かして底にあるものを浮き上がらせて食べることもあります。



 魚にもシマアジという種類がありますが、この鳥の和名の「シマ」はオスの眉斑や羽の縞模様から由来とする説や、やや変わった種類につける接頭語であるとする説があります。また「アジ」は食用として味が良いことからとする説や、トモエガモを指す古い名称の「味鴨」から来ているとする説などがあります。

 「縞のあるおいしいカモ」あるいは「トモエガモに似てやや変わった種類」というような意味合いでしょうか。
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