やまなしの野鳥たち 
2017.05 サンショウクイ
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 サンショウクイは、夏鳥として本州以南で繁殖をし、冬には東南アジアに渡って越冬します。個体数はあまり多くなく、環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧Ⅱ類に指定されている希少種です。

 平地から山地にかけての落葉広葉樹林に生息し、木の高い所の横枝の上に樹皮や細枝などを使って椀型の巣を作りますが、クモの糸を使って苔を一面に貼り付けるので、一見すると木のこぶのように見えます。

 全長は20㎝ほどで、背面は灰色、胸から腹部にかけて白く、身体つきはスマートで、樹上に止まる姿勢は頭を高く尾を下げた直立型に見えます。オスは顔から腹部にかけて白く、過眼線と後頭部が黒くなっていて、長い尾は外側が白くなっています。メスはオスに比べると額の白い部分が狭く、頭頂から後頭部が灰色をしています。

 小規模な群れを形成して生活しますが、秋季に渡りを行う前には大規模な群れを形成し、百数十羽にも達することがあります。

 飛び方が、翼をはばたいては体に付けて止め、はばたいては止めるので、ヒヨドリと同じように波型を描いているように見えます。

 食性は動物食で、餌となる昆虫類やクモ等を樹上でホバリングしながら捕まえたり、枝先からフライングキャッチしたりします。

 鳴き声は、ヒリヒリッ、ヒリヒリッと繰り返し、渡りの途中や飛行中も良くこの声を出しています。

 名前を漢字で「山椒食」と書きますが、山椒を好んで食べるのではなく、ヒリヒリッという声が、ピリリと辛い山椒を食べたように連想されるので、その声が名前の由来になっているようです。
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