やまなしの野鳥たち 
2017.11 クマタカ
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 クマタカは、北海道から九州の山地の森林地帯に留鳥として広く分布している大型の猛禽類です。数は少なく、種の保存法で「国内希少野生動植物種」として保護の対象であり、また本県のレッドデータブックでも、絶滅危惧IB類に分類されています。

 低山帯や亜高山帯の針葉樹林、広葉樹林に生息し、特に高木の多い原生林を好みます。急峻な山腹のある深い渓谷で見られ、イヌワシと並んで山地の森林生態系の頂点に位置し「森の王者」と呼ばれています。

 漢字表記は「熊鷹」と「角鷹」の2通りがあり、熊鷹は熊のように大きく強そうに見えることから、また角鷹は後頭部に角張った冠羽があることから付けられたとのことで、近年は熊鷹と表記される場合が多いようです。

  トビよりも一回り大きく、全長はオスが約72㎝、メスが約80㎝で、翼を広げると160~170㎝ほどになります。全体的に胴が太く翼が幅広くがっしりした感じで、尾は長めに見えます。
 オス、メスともにほぼ同じ色彩で、頭部から下面は白く、頭上からくびや胸に黒い縦斑、腹には黒い横斑があります。黒い顔の中に黄色い目が目立ちます。翼と尾羽に明瞭な黒い横帯があり、飛翔時に翼の幅が広く後縁部がふくらんで見えるのが特徴です。

 飛翔時にはあまり羽ばたかず、幅広い翼で風を捕らえて旋回(ソアリング)することもありまが、森林内で狩りをする際には、翼の機動力を生かした飛翔で、獲物を捕らえる際には翼を畳み、目標をめがけて加速を付けて飛び込みます。

 食性は動物食で、ノウサギなど中~小型の哺乳類、ヤマドリなど中~大型の鳥類、ヘビ類など多様な動物を捕食し、あまり特定の餌動物に依存しません。待ち伏せ型の狩りをし、基本的には、山地の森林内や林縁の樹上で獲物が通りかかるのを待ち襲いかかります。
 大型で攻撃性が強いため、かつては東北地方で飼い慣らして鷹狩りに使われていたようです。
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