やまなしの野鳥たち 
2018.07 コマドリ
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 コマドリは、夏鳥として九州から北海道まで渡来して繁殖し、冬季には中国南部へ南下し越冬します。また伊豆諸島や種子島、屋久島には、タネコマドリと呼ばれる日本固有の亜種が生息しています。

 亜高山帯の渓谷や斜面にあるササなどの下草が生い茂った針葉樹林、針広混交林などが主な生息地であり、渓谷沿いの暗い林の下部を好みます。

 ヒンカラカラカラと力強いさえずりが、馬(駒)の嘶(いなな)きのように聞こえることから駒鳥と呼ばれたのが和名の由来です。






 またこの綺麗な鳴き声により、ウグイスやオオルリとともに日本三鳴鳥の一種に数えられています。

 ただ警戒心が強く、木の上や笹やぶの中で生活していることがほとんどなため、鳴き声は聞こえても姿を見ることが中々できない鳥でもあります。


 全長は14㎝、オスメスともよく似た色彩をしていて、ころんとした丸い体に、頭から胸元にかけて入っている美しいオレンジ色の体が特徴です。嘴は黒く、肢は薄橙色をしています。

 食性は動物食で主に昆虫を食べますが、低木の上や地面に降りて獲物を捕食します。

 崖の下など目立たない場所に木の枝や葉を使って巣を作りますが、ジュウイチに托卵の対象とされることもあります。
















 中々会うことのない珍しい野鳥ですが、沢に近いところにいることが多く、渓流の瀬音の中に響く鳴き声を聞くと深い趣きがあります。


 昔から「一沢一駒」と言われることから、渓流に生息し、なわばりをしっかり持っている鳥であることが人々に認識されていたようです。
 

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