やまなしの野鳥たち 
2018.09 シロチドリ
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 シロチドリは、ユ-ラシア大陸からアフリカ大陸の北部、北アメリカの西・南岸部、南アメリカの西岸部など、広範囲に分布するチドリの仲間です。


 日本では九州以北で繁殖し、北海道では夏鳥、本州から九州では留鳥となっています。砂浜や干潟、中流域の河川敷、湖や池沼などに生息し、砂浜や砂州で繁殖することが多いですが、造成中の埋め立て地などの砂礫地でも繁殖します。

 本県では、昔は釜無川、笛吹川、富士川の河原などで普通に繁殖していましたが、近年急速に減少していて、2005年の山梨県レッドデータブックでは準絶滅危惧種だったものが、2018年の改訂版では、絶滅危惧Ⅱ類にランクアップしてしまいました。

 全国的にも個体数が極端に減少している種類として知られ、同じような環境で繁殖するコアジサシとともにその動向が心配されています。繁殖場所となる砂浜の減少や砂礫地の草地化のほか、河川などのレジャー利用による人やペット、車両による営巣地への影響、野犬やカラス等による捕食などが繁殖困難につながっていると考えられています。

 全長は約17㎝、ヒバリ大くらいの鳥で、コチドリよりやや大きく、イカルチドリよりは小さいです。背中は淡褐色で、腹部は白く、眼の上の眉斑が白く、嘴から後頭部へ続く眼過線があります。嘴は黒く、後肢は黒や黒褐色です。風切羽に白い斑紋があり、飛翔時には帯状に見えます。

 食性は動物食で、水辺にすむ昆虫、節足動物、ゴカイなどを食べます。地上を素早く歩いては立ち止まって餌をついばみ、また歩いては餌を採るという動作を繰り返します。

 ピュルピュルと小さな声で鳴きますが、繁殖期に外敵が近づくとプリョとかプィーというような大きな声で鳴きます。また、人や天敵が卵や雛に近づくと、親は盛んに擬傷をして注意をそらします。

シロチドリ画像1 シロチドリ画像2


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