やまなしの野鳥たち 
2018.10 メボソムシクイ
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 メボソムシクイは、夏鳥として本州や四国の平地から山地に生息し、特に亜高山帯の針葉樹林を好んで繁殖し、冬季になると東南アジアに渡って越冬します。


 日本で普通に見られるムシクイの仲閒には、センダイムシクイ、エゾムシクイ、メボソムシクイがいますが、その中でメボソムシクイは最も標高の高いところに生息しています。このため、登山をする人以外では、姿を見たりさえずりを聞く機会は限られますが、春と秋の渡りの途中で市街地の公園など平地で見られる可能性があります。

 他のムシクイ類も、渡りの時期に平地で見られ、姿が非常に似ているので、平地での識別は要注意です。

ただし、センダイムシクイとエゾムシクイは南下が早いので、10月になってムシクイを見かけたらメボソムシクイという判断もできそうです。


 全長は13㎝、ほっそりとしていて、体を水平に保つことが多いです。オスメス同色、全体に地味で、頭から上面は褐色みのある暗緑色、下面は薄い緑黄色で、嘴は細長く眉斑の黄色味を帯びた白色が目立ちます。名前のメボソの由来は、眼の上の眉斑を眼に見立ててのものと思われます。

 地味な姿と違ってさえずりはとても印象的で、ジュリジュリジュリジュリと聞こえる同じ節の4声で鳴きます。この鳴き声は、登山者からは「銭取り、銭取り」と聞きなしをされています。

 さえずるときは、枝移りをしながら盛んに鳴き続けます。小さい上に葉の茂った中を移動するので、姿は大変見づらいです。繁殖期から9~10月まで長期間にわたってさえずりを行い、春、秋の渡りの時期には、ギュッとかジリッジリッなどと地鳴きをします。

  食性は動物食で、比較的高いところにある枝上をせわしなく動き回って、昆虫類、クモ類、虫の卵などを食べますが、秋には果実を食べることもあります。

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