やまなしの野鳥たち 
2020.06 マミジロ
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 マミジロは、夏鳥として北海道や本州中部以北の山地や低山の林に渡来し、ある程度標高の高い樹林で繁殖しますが、生息数は少なく分布は局地的です。本州西部以南では渡りの途中に飛来する旅鳥ということになります。

 県内でも見られる場所は少ないですが、この鳥の探鳥地として甲州市の柳沢峠付近が有名です。ただし首都圏からの鳥撮りカメラマンも多いので、静かに見ることはできないかもしれません。

 全長約24㎝とムクドリ位の大きさで、オスは全身が黒く、眉班だけが白く目立ちます。この白い眉斑が明瞭なことが和名の由来となっています。嘴は黒く足は黄褐色で、飛翔中は翼の下面に2本の白い帯が見えます。メスは上面がオリ-ブ褐色で、淡い眉班がありますがオスほど目立ちません。



 囀りはアカハラに似ますが、早朝に樹冠でキョロンチーと一声づつ短く区切って鳴くのを繰り返します。これをチョボチーと聞きなし、俗称としている地域もあります。メスも囀ることがありますが、これはつがいのオス相手に抱卵交代の合図などコミュニケーション手段と解されています。

 地鳴きはキョッという声で、飛び立つ時にはシーッと鳴きます。

 食性は雑食性で、昆虫やミミズ、サクラの実など果実を食べますが、他のツグミの仲間と同様、地上でミミズや昆虫類の幼虫などを捕ることが多いです。

 暗い林内で行動することが多く、開けたところにあまり出てこないので発見が難しい鳥ですが、朝夕に採食のため林道に出てくることや、夕方水浴びのため水場に多くの個体が集まることもあり、そんな時は観察のチャンスです。

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